ゴルフ振興

ラウンド後の第一声は、スコアを聞くより「楽しかった?」と

2018年 08月 15日

★夢を託すなら15歳までにゴルフを始めさせる

ゴルフには「いつ始めても遅すぎることはない」という言葉があります。すぐに上達することはありませんが、年齢問わず、いつでも始めることがゴルフというスポーツのすばらしいところです。

しかし、これはレジャーの一つとして嗜もうとする大人が対象であって、「目指せ!松山英樹!」とわが子に夢を託すならば、ゴルフは早く始めるにこしたことはありません。

2016年のリオデジャネイロオリンピックから正式種目となって≪1904年のセントルイス五輪以来112年ぶりにオリンピックの舞台に復帰!≫と大きな話題になったゴルフ。2020年には東京オリンピック開催!ということで々盛り上がることは必至。日本におけるジュニアのゴルフ熱もますますヒートアップするはず。

全英オープンの覇者ヘンリー・コットンによるとモノになるかならないかの目安は「15歳未満」にあるそうです。それまでに始めていることが絶対条件であり、名選手に例外はないと言っています。

まれに高校を卒業してからゴルフを始めてプロになるという人もいますが、その人は野球、ソフトボール、テニスなどの他スポーツの分野で抜群のセンスを養い、すでに一流アスリートとしての下地が出来ている人が多いと思われます。

もし叶うものなら、わが子をプロに仕立て上げたいと願う親は、世界的に急増傾向です。同じ競争社会に身を投じるにしても、平凡な勤め人よりも莫大な賞金が唸るトーナメントプロに魅力を感じるのは当然のことかもしれません。

 

★パパゴン・ママゴン狂騒曲

現在、アメリカでは各地区で様々なジュニア選手権が開催されています。アメリカでは ジュニアゴルファー育成の制度がしっかり整っています。 ジュニアゴルファーを対象にしたジュニアゴルフトーナメントも数多く、タイガーウッズもジュニアトーナメントから育って来ました。

アメリカン・ジュニア・ゴルフ・アソシエーション(AJGA)はアメリカ・ジュニア・ゴルフの最高峰。年間のトーナメントは70以上あり、このジュニア・ゴルフ最高峰のトーナメントで活躍すると、早くからスポンサーがついたり、大学のスカラーシップ(※奨学金または奨学金取得試験のこと)をもらえたり、親にとってもまさに正念場!

脱落しないように親が全面的なサポートをしていくのですが、誤ったサポートも見受けられるようです。

ここで夏坂健さんの1995年発刊の著書「フォアー!ゴルフ協奏曲」から一部を抜粋。

“わが子が1番ティーから出発する。と、親族がふた手に分かれて左右のラフに待機する。応援団は常に先回りして、最後にはグリーン周辺をガードする。

「それは見るに耐えない光景でした。親たちが体を張ってミスショットを阻止するのです。わが子のボールがOB杭から出そうになると、走っていって体当たり、胸でも背中でも構わずぶつけて救済するわけです。とくにひどいのがグリーン周辺、オーバーしたと思われるボールが何かに跳ね返ってスルスルとピンの方向に戻るなど珍しくもありません」

いまは引退したが、ジュニア育ての親と言われるD・B・クラフト氏は「醜態の極みだった」と述懐する。

「親たちは、子供と同じ試合球をいくつも用意していました。かなり奥まで飛んだはずのボールがなんとピン狙いに絶好な位置に生きていたり、ロストボールも発生しないのです」

1976年のジュニア大会では、一人の選手の打ったボールが木の枝に止まってしまった。すると、いきなり太った男が木によじ登って必死に枝を揺すり始めた。その甲斐あってボールは落ちたが、ついでに本人まで転落して肩と足の骨が折れた。救急車で運ばれたため、住所氏名からその選手の父親と判明して事態が紛糾した。

「善意の第3者」でもなく「局外者」とも呼べない。結局、「プレーの補助」が適用されたものの、改めて親たちの狂乱ぶりが浮き彫りにされて非難が集中、ついに協会では部外者のコース内立入りを禁止することにした。

・・・・・・

別の母親は綿々と情に訴えた。「視野の片隅に私の姿がいるだけで、あの子はとても安心するのです。どうぞ私を追い出さないで」

しかし、フェアな精神を持つ多くの親たちによって協会の決定を熱烈に支持された。一部の心ない行動に、大半の人がうんざりしていたのだ。”

 

今は、ここまであからさまなことはないと思いますが、親の願いはいつの時代も同じではないでしょうか。

 

★叱られたくないからスコアを改ざん

近年、日本でも大なり小なり将来のゴルフ界を担うジュニア世代の行動が問題になっています。

「親に大会でいいスコアを出せといわれて、悪いとスコアを誤魔化すジュニアが多い」というのです。親に叱られたくない一心でスコアを改ざんしてしまう子供たちが増えているそうです。

日本ゴルフ協会(JGA)のある競技委員の声として、「同伴競技者と結託してダブルボギーをボギーと書いたりして、過少申告する。さすがに大会の優勝に絡むような改ざんまではやらないが、下位に沈んで特に影響がない場合には、親に叱られるようなスコアだけは避けようと、平気で書き換えてしまう」という記事を読んだことがあります。

虚偽の過少申告は最大のルール違反であり、マナー違反です。ゴルフは自己鍛錬の場として、世界的に教育に生かす動きもあるほどです。ゴルフを通じて人間形成されるはずが、行き過ぎた親の言動によって真逆の結果を招いているのだとしたら、まさに本末転倒。

 

★「スコアいくつ?」よりも「楽しかった?」と声を掛けて!

悪いスコアでホールアウトしたとき、人から「スコアはいくつだった?」と第一声に聞かれるのは、大人もあまり気分のいいもんじゃないですよね。そんなときに思わず誤魔化そうとしてしまうのは、大人も子供も同じかもしれません。

 

最近、よく聞くのがスコアを付けずにラウンドするということ。そうすることによって、ゴルフを純粋に楽しむことができると言われています。でも、スコアをつけることも大切にしたいゴルフの大きな魅力。この魅力を損なわないようにしていきたい。そのためにも、ホールアウトしたときには、最初に「楽しかった?」と聞くようにしたいものです。

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※ヘンリー・コットン(1907~1987年)
英国生まれ。14歳で英国アマに優勝して天才少年と呼ばれ、17歳でプロ転向。1934年、全英オープンに優勝。その2日目、当時としては驚異的だった65のスコアを出し、それを記念して、後に「ダンロップ65」というボールが世界に売りだされました。
全英オープンは37年、48年にも優勝。また当代きっての理論家としても知られ、キャリアの後半はティーチングプロとして活躍し、レッスン書など数多くの著書を残しています。それらは全部自分で書いたと言われ「ゴースト・ライターを必要としない唯一のゴルファー」と呼ばれました。

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◆参考文献
「フォアー!ゴルフ狂騒曲」夏坂健著:新潮社

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