ゴルフ振興

ゴルフで学ぶ「正直」

2019年 01月 3日

   ★ゴルフで学べる教育とは

ゴルフは「審判のいないスポーツ」と言われ、自己判断に委ねられることが多いスポーツのため、生きていくために必要な様々なスキルを学ぶことができます。

たとえば「ザ・ファースト・ティ」という青少年育成教育プログラムで学ぶライフスキルの中核は、「ナイン・コア・バリュー(Nine Core Value)」と呼ばれる9つの大切な価値観です。「ザ・ファースト・ティ」の参加者(児童・生徒やその家族)は、9つの価値観の本質について学び、ゴルフの場面だけでなく、社会生活の中でも実践できることを目指します。

「ナイン・コア・バリュー(Nine Core Value)」と呼ばれる9つの大切な価値観は、「尊敬」「礼儀」「正直」「自信」「スポーツマンシップ」「判断」「責任」「忍耐」「誠実」という9つの価値観で構成されています。この「ナイン・コア・バリュー」は子どもだけに有効なのではなく、人として正しく生きていくために絶対に欠かすことができないスキルです。

 

★生きていくための大切な価値観のひとつ「正直」

フォーチュン100企業の経営幹部が考える『リーダーになるうえで最も重要な資質』とは「正直さ」だといわれています。

正直さには二つの意味があります。第一に、自分の価値観や信念を明確にできる力として「心の声に誠実なこと」、第二に正直な言動を通して周囲の深い信頼を勝ち得ることができる力としての「人に対して正直でいられること」です。

人は、裏表ばかりな人や正直でない人、嘘ばかりつく人、騙そうとする人を信頼することはできません。人の話を聞かず、自分に都合の良い情報だけ引き出そうとする人とビジネスパートナーになりたいなどとは思わないでしょう。

成功や苦難の過去を互いに正直に説明し親密な関係を築いたチームのほうが、そうでないチームより良い成果をあげるということは、様々な事例で実証されています。逆に正直でなかったチームは疑いの関係を持ち良い結果を得られません。

どれだけ真摯に歩み寄っても、相手をひとりの人として扱わない人や年齢が上だというだけで命令形の言葉を社外の人にも使う人、正直に語らない人とは長期的なパートナーシップを築くことは難しいでしょう。いざという時に頼りになる存在とはなり得ません。

★「嘘」と「正直」

「口から出まかせ」や「嘘も方便」という言葉がある様に、「人が放つ言葉」には「嘘」や「誤魔化し」が、社会には非常に多く存在しています。「必要悪」として肯定される場合もあります。

「嘘」は1度付いたら最後、付き通さなければいけません。そして、他の事まで嘘を付かなければ話のつじつまが合わなくなり、さらに相手に悟られる事を防ぐために、完璧な嘘を付き通さなければならなくなります。これは大変な労力です。

自分中心に物事を考える癖のある人が使いがちな種類の嘘が「保身の為の嘘」、すなわち自分を守るための嘘です。常日頃から自分中心な言動を起こす人は、まずそこから改善する意識を持たなければ、遅かれ早かれ「保身の為の嘘」を付いて自分の言動を誤魔化し、それを繰り返す結果になってしまいます。

しかし、保身のためであれ、何であれ「嘘」は、どんなに頑張ってもいつかはバレます。これは嘘を付く前から明らかな事なのです。そして「嘘を付かれた」という事実だけが残り、相手の心を大きく傷付けます。「嘘を付く」とは「人の信用を裏切る事」です。

それだけに、「嘘」は人間関係や人と人との心を繋ぐ「信頼関係」に消えない傷を残します。絶対に失いたくないものがあるならば、「正直」になることがとても重要なことなのです。でも、それはとても難しいことなのです。

★ゴルフで求められる「正直」

ゴルフは他のプレーヤーへの心くばりとともに、プレーヤーの「誠実さ」と「正直さ」を求めています。審判の立ち会いのないスポーツとして、ボールの位置やスコアなど、いくらでも誤魔化すことができるのもゴルフなのです。だからこそ「心の声に誠実なこと」と「人に対して正直でいられること」という「正直」をいつも意識しながらプレーすることで、そのスキルを身に付けることができるのです。

そんなゴルフで、輝かしい戦績とともに“正直な申告”で記憶に残る有名なプレーヤーがいます。

伝説のゴルフプレーヤー「ボビー・ジョーンズ」です。

ボビー・ジョーンズ(Bobby Jones、1902~1971)は、その自制心に富むプレー態度から、「球聖」や「皇帝」と呼ばれたゴルフ史を代表する伝説のゴルファー。ボビーはアメリカ合衆国ジョージア州アトランタ市の生まれ。本職は弁護士で、終生アマチュアを貫きました。

ボビーの戦績は輝かしく、全米オープン、全英オープン、全米アマ、全英アマと当時のメジャー・トーナメントを全て同じ年 (1930年) に優勝した唯一人の年間グランドスラマーです。1923年に最初のメジャー優勝となった全米オープンに勝ってから 1930年までの僅か8 シーズンの間に、メジャー優勝 13回(全米オープン4回、全英オープン3回、全米アマ5回、全英アマ1回)という偉業を成し遂げています。

 

★記憶に残る“正直な申告”

世界中のゴルファーから尊敬されるまでにボビー・ジョーンズの名を高らしめたのは、輝かしい戦績だけではありません。ウォーセスターカントリークラブ(マサチューセッツ州)で行われた1925年の第29回全米オープンでの“正直な申告”という出来事があったからとも言われています。

初日の11番ホール、ボビーの放ったティーショット(第1打)はグリーンを外れ、横にあるマウンドの急な坂の途中に止まりました。そのボールをプレーするべくスタンスを取り、アイアンクラブがラフの草に触れた、そのとき、微かにボールが動いたのです。

そのわずかなボールの動きを誰も見ていませんでしたが、ボビーは「アドレス後にボールが動いた」と同伴競技者に申告し、自ら1打のペナルティーを科してプレーを続けました。

2016年以降のゴルフ規則では、アドレス後、ボールが偶然に動いたときの罰則はなくなりましたが、それまでの規則では1打のペナルティーとなっていました。

同伴プレーヤーだったウォルター・ヘーゲンは「誰も見ていないので、ペナルティーの必要はない」と進言しましたが、ボビーは頑として聞き入れません。

この1打は最後まで重いものとなりました。最終日トータル7オーバーの291ストロークで並んだウィリー・マクレーンとのプレーオフで、ボビーは敗れたからです。

ボビーは前年の大会も2位でした。そうした事情があったからこそ、当時の新聞、雑誌はゴルファーの模範と言えるその行動を称賛しました。

ゴルフは審判員が常に立ち会わない唯一のスポーツです。だからこそ「ゴルファーはみな誠実であり、故意に不正を犯すものはいない」という性善説によって成り立っています。しかし、そこは人間。「悪魔のささやき」にまどわされるのがゴルファーの性だからこそ、人々はボビーの潔い態度に共感を覚えました。

この試合後、全米ゴルフ協会にはボビー・ジョーンズの“正直な申告”に数千通もの賛辞の手紙が舞い込んだということです。

しかし、ボビーには心外だったらしく、「私が銀行で金を盗まなかったからといって誰も褒めないだろう?ゴルファーとして当然のことをしたまで。自分を騙すぐらい悲しいことはないからね」と言って応えたものだから、世界中のゴルフファンは改めてボビー・ジョーンズの「ゴルフを大切にするフェアプレーの精神」に深く感銘を受けて、当時のゴルファーは、みんなボビーの虜となりました。

 

★短気で手に負えなかった10代のボビー

しかし、そんなボビー・ジョーンズも10代の頃は、非常に短気で、ミス・ショットをするたびにクラブを放り投げたり、地面に叩きつける手に負えない若者でした。

有名なのは1921年、初めて出場した全英オープン、そして初めて訪れたセントアンドリュースのオールドコースで、最初の9ホールだけで10オーバーの46を叩き、10番ホールもダブルボギー、11番ホールもティーショットをバンカーに入れ、ダブルボギーパットも外して茫然自失。6打目のパットを打たずに、そのままスコアカードを破り捨てて棄権したというのです。この時、スコットランド人たちは「アメリカで最も有望と言われていたが、あのざまでは」と痛烈にこき下ろしました。このときのことをボビーは、終生痛恨の記憶として片時も忘れることはありませんでした。

さらに同じ年の全米アマでは、ボビーの放り投げたクラブが女性の足に当たり、USGAから出場停止を勧告される事態にまで陥りました。
すぐにボビーは「今後は感情を抑制し、こうした行為をしないと誓います」と深く陳謝し、何とか事なきを得ました。

 

★苦い経験を糧にして

この経験を境にボビーは短気の克服するために、「ゴルフとは他人ではなく自分との戦いである」ということを知り、「敵は自分の内にある」ということを導きだしました。

自分の性格を見つめ直すことほど難しいことはありません。彼はそれを短期間で見事にやってのけました。

1921年以降、ボビーはトーナメントコース上では完全に紳士として振舞い、以降彼がトーナメントの最中に感情を爆発させたことは一切ありません。そしてその後、輝かしい戦績を残し、伝説のゴルファーとなったのです。

普段のボビー・ジョーンズは温和で、人には優しく思いやりをもって接し、万事について控えめでした。そして何より誰からも好かれました。周りの人を不思議と和ませてしまう雰囲気をもっていたようで、人々はこぞって彼の周りに集まっていきました。史上唯一のグランドスラムを達成したほどの名手が、誰にも負けないほど正直でクリーンなゴルフをしていたことが、アメリカゴルフの輝かしい歴史と伝統として現在にも色濃く残っています。

1958年、世界アマ米国代表のノンプレーイングキャプテンに選出されたボビーは、脊髄の病気により車いすでセントアンドリュースを訪れました。そのボビーにセントアンドリュース市は名誉市民の称号を贈りました。その折、37年前の生涯たった一度の”棄権”を振り返ったボビーは「セントアンドリュースが私に教えてくれたものは計り知れない。1921年の苦い経験がなければ、私の成功はなかった」と喜びの涙とともに語ったそうです。

◆参考文献

「王者のゴルフ」夏坂健/日本ヴォーグ&スポーツマガジン社

「ゴルフルール事件簿」マイク青木/日経ビジネス文庫

 

★『ザ・ファースト・ティ』とは

「ザ・ファースト・ティ」とは、1997年にスタートしたゴルフを通じて学ぶ青少年育成教育プログラムのことです。「ザ・ファースト・ティ」は、プロゴルファーを目指す選手育成のゴルフレッスンではありません。ゴルフを通じて子どもたちの健全な人格形成を図り、「ライフスキル」(生きていく上で必要な能力)や人生の価値を教えることを目的とした教育プログラムです。

これまでに、アメリカをはじめニュージーランド、カナダのゴルフ場や学校、軍施設で展開し、全世界で200以上の支部、1,000ヵ所以上の施設で、累計1,400万人以上の子どもたちが参加してきました。

日本では2015年(平成27年)にようやく開催されるようになり、関西のゴルフ場では2018年(平成30年)8月にようやく有馬カンツリー倶楽部で初開催となりました。日本では、まだまだこれからの新しいゴルフスクールです。

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TEL:079-565-2111

Mail:sinarima@gmail.com

サイト:http://www.arimacc.jp/

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