コース管理作業

一にも二にも観察が大事。早期発見、早期治療が基本です。
  • グリーン刈込
    3月中旬から12月上旬までは毎朝刈り込みます。12月中旬から3月上旬までは、朝霜のために週3回の夕方刈りとなります。刈り高は1年を通して3.5mm~4.2mmの間で設定しています。
  • ホールカップの切替
    1年を通じて、毎日ホールカップを切り替えます。毎日切り替えることによって、縁のきれいな状態を維持することができ、スムーズなカップインにつながります。
  • バンカー砂均し
    1年を通じて、毎日夕方にバンカー砂を均していきます。有馬カンツリー倶楽部のバンカーは一つ一つが大きいので、バンカー均し専用の乗用機械で、丁寧にゆっくり時間を掛けて砂を均していきます。
  • 草刈り
    フェアウェイ・ティーグラウンドの刈込は3月から12月まで週2~3回、乗用機械で刈込ます。また、ラフは5月から11月まで乗用機械で順じ刈込み、OB周辺、植木周り等は随時、草刈り機を持って刈っていきます。
  • 機械整備
    ゴルフ場のコース管理には専門の機械がたくさんあります。これらの機械は全てコースメンテナンスには欠かすことのできない大事な機械です。だからこそ日々の点検や研磨、不具合の調整などが非常に重要です。
  • 肥培管理・農薬管理
    広大な面積の中で、単一品種として「芝生」を維持管理するためには、肥培管理及び農薬管理は最も欠かせません。現在は有機資材を取り入れたり減農薬管理を行い、環境に影響のないように徹底管理を行っています。
  • 植栽管理
    ゴルフ場には数多くの植木があります。これら全てに手を加えることはできませんが、出来る限りコースの景観を良くするために葉刈りなどの管理をしています。また、松は環境に配慮し薬剤処理をしていません。そのために年間500本程度は枯れていきます。枯れ松をそのまま置くと景観を損ねることと、枯れる原因となる松くい虫が次々に移っていくので、速やかに伐採していくようにしています。
  • 散水管理
    ベントグリーンの年間管理で今、一番憂慮されていることは「夏越し」です。気温が高く雨のない夏はとても厄介です。夏を維持させるためにも「スプリンクラー散水」は最も重要です。また、フェアウェイ、ティーのオーバーシード作業にも新芽をだすために散水管理は重要です。有馬CCのコース内でスプリンクラーは全部で700個あり、さらにコースの地下に散水管が張り巡らされています。現在、年間で約30個程度スプリンクラーの交換をし、また年間10か所以上散水管の破損による漏水があり、これらを随時修復しています。
  • その他
    コース内の標示看板や杭、ティーマーカーなどは全て手作りで管理しています。手作りを続けることでプレーヤーの皆様に親近感をより感じていただこうと思っています。その他、落葉掃除やバンカーの砂入れ・縁切りなどの整備、冬のグリーン凍結防止用寒冷紗の管理、雪の日には除雪などコースに係わる仕事はまだまだたくさんあります。

グリーン更新作業

良質なベントグリーンを維持するために最も重要な管理作業
グリーンの更新作業とは

グリーンの更新作業とは、一言でいえば「グリーンを耕すこと」です。本当に耕すことはできないので、少しずつ床土の入れ替えを行う作業のことです。この作業によって土壌環境を良くして元気な芝生を育てることを目的とします。プレーヤーや管理者及び管理機械がグリーンの表面を踏んで固めた物理的な固結を解消することで、透水性(雨など表面に落ちる水の地下浸透)を回復させ、また土壌中に酸素を供給し、新芽が出やすい環境を整えていきます。

更新作業の作業手順

①コアリング(直径6~12mm、長さ7cm~10cmの円柱状に芝を無数に抜き取る作業)を行います。
※抜き取った芝を『コア』と言います。
②グリーン上に残ったコアをスイーパー(乗用の掃除機)で回収して取り除きます。
③目砂散布機にてグリーン表面に均一にきめ細かな乾燥砂(粒径1mm以下)を散布します。
砂は雑草の種子の排除や防虫の意味で焼き砂を使用するのが一般的です。
④均一に散布した砂をコアを抜いた穴の中に落とすためにブラシを掛けます。
⑤最後に作業工程上、グリーン面が凸凹になっているので、これを矯正する為、転圧ローラーを掛けて終了です。

  • グリーン更新作業1
    コアリング
  • グリーン更新作業2
    コアをスイーパー
  • グリーン更新作業3
    目砂散布
  • グリーン更新作業4
    ブラッシング
  • グリーン更新作業5
    転圧ローラー
  • グリーン更新作業6
    作業完了

これらの作業を18ホールと練習グリーン全てに行います。
1回の全工程で約3~4日かけて、できるだけプレーヤーに迷惑のかからないように流れ作業で行っていきます。
また、この作業は、春先、梅雨入り前、初秋、晩秋と年4回程度行いますが、天候によるグリーンの状態を見て合間にもこの作業を行う場合があります。

更新作業をしないとどうなる?

更新作業の中で特に重要なのがコアリングです。耕す意味でもこの作業によって物理的に土壌を入れ替えることができます。この作業を行わないと、グリーンの土壌は経年によって芝生の刈りカスや死んだ古い根などの有機物が堆積していきます。有機物は化学的に結合しやすく堆積していくことで土壌を固結させてします。そして土壌中に酸素を供給することができず、土壌中の腐敗により芝生は育たなくなります。このような状態にならないようコアリングによって物理的に改善します。更新作業は表面が砂だらけになるため、プレーヤーの皆様には大変ご迷惑をお掛けします。
しかし、今のところ更新作業に変わる方法がないため、この作業はグリーンの健全な生育のために不可欠であることをプレーヤーの皆様には、ぜひご理解いただきたいと思います。

冬季オーバーシード

ティーグラウンド、フェアウェイ。1年を通じて緑の芝生を維持するための作業!
  • 冬季オーバーシード1
  • 冬季オーバーシード2
  • 冬季オーバーシード3
簡単な芝生の分類

芝生には、寒い冬に枯れてしまう芝生と緑を保つ芝生とがあります。
まず、冬枯れする芝生はコウライシバ、ノシバ、バミューダグラス類(ティフトンシバ)などで、これらを「暖地型芝草」と呼びます。
冬でも緑を保つ芝は「寒地型芝草」と言い、グリーンのベントグラス類やライグラス類、ブルーグラス類などに分けられます。

冬季オーバーシーディングとは?

冬季オーバーシーディングとは、「冬に向けて、上に種を蒔く」という意味そのままに、暖地型芝草の上に低温に強い寒地型芝草の種を蒔き、冬の期間も緑の芝生を使用できる様にしようという管理手法です。冬の間は休眠中の暖地型芝草と緑色の寒地型芝草が共存していることになります。オーバーシーディングに使用する寒地型芝草は基本的に一年草の芝種を使用しているので、夏の高温期には枯れてなくなることから、夏には暖地型芝草と入れ替ることになります。
このことから通年緑の芝生維持するためには、毎年、冬季オーバーシーディング作業を行うことになります。

オーバーシーディングのイイトコロ・ワルイトコロ

【イイトコロ】
・一年を通じて緑の芝生でプレーできます。
・冬場も生長しているため水分を吸い上げてくれます。
⇒暖地型の芝は冬場は休眠中のため、雨の後は長く土壌がブカブカになる場所が多くできます。
・春秋は刈込みによるカットライン(縞模様)がはっきり出て景観に優れています。

【ワルイトコロ】
・寒地型芝草と暖地型芝草の切替え(トランジション)が難しいため部分的に裸地が出る場合があります。
・通常管理の農薬散布ができないため、スズメノカタビラ等の雑草と共生を余儀なくされます。
・秋の播種作業時に目土散布をするためプレーに多少の影響が出ます。

オーバーシーディング作業手順

作業期間:9月中旬から2週間程度
①バーティカル(機械で芝生に垂直に切れ目を入れて起こしていく作業)を行います。
②起きた芝生の高さを揃えるために刈込みます。
③ペレニアル・ライグラスの種子を蒔きます。
フェアウェイの場合、外周は手押しのドロップ式散布機(まっすぐ下に向かって散布)、中はスパウター式散布機(左右に振りながら散布)で均一に散布していきます。2011年度で㎡当たり40g散布しました。
④目土散布機にて全面に砂で覆土します。少し砂を乾燥させてからスチールマットで全面を擦り込んでいきます。
⑤全面散水します。
■作業工程はこれで終了ですが、新芽がでるまでの養生期間は乾燥させないように適度に散水します。

ラフの芝焼き

自然環境に配慮した中での芝生育成管理への取り組み!
  • ラフの芝焼き1
  • ラフの芝焼き2
  • ラフの芝焼き3
芝焼きとは?

芝焼きは和歌山の串本町潮岬、奈良の若草山、岡山の後楽園などで古くから行われている行事として有名です。
今では観光的な意味合いも大きいようですが、元々は植物維持管理上の合理性から編み出された芝生育成の手法です。

芝焼きがもたらす5つの効用

①古い芝を焼いて新芽の生育促進
②芝生に生息する害虫の駆除
③芝生の病害に対する消毒効果
④雑草の抑制効果
⑤焼けた炭化物が表面に自然に撒かれることによる土壌改良効果

有馬カンツリー倶楽部の芝焼き

有馬カンツリー倶楽部でも『“芝焼き”は農薬使用量の低減、及び化成肥料使用量の低減の源である』という観点から開場以来現在まで続けてまいりました。また、近隣の住宅環境に配慮した取り組みも積極的に行っています。
◎有機資材を利用しての減農薬管理
◎枯れ木・伐採木・倒木の再利用(黒炭窯による木炭と木酢液の生成)
◎池の水質浄化(水路による水の循環と木炭・小石等による水のろ過)
今後も自然環境に配慮した中での芝生育成管理に取り組んでいきます。

芝焼き作業区域、及び期間

作業区域 >> コース内ラフ、打撃練習場、彼芝のみ焼却していきます。
作業期間 >> 毎年1月中旬より2月下旬までの期間内で実質作業日は2週間程度
※作業は毎日ではありません。天候、プレーヤーの状況により作業日を決定します。
降雨後、3、4日は作業できません。また風の強い日も作業しません。
作業時間 >> 13~16時ごろの間で作業します。その他の時間は朝露・夜露のため作業できません。
■安全には最大限の配慮をしています。また、作業開始までに行政へ許可申請を行い、作業当日も開始前と終了後には必ず消防局へ連絡しています。